賃貸経営は築年数が古くなってくると空室対策や資金繰り、入居者対応など様々な問題が出てきます。
まずはそのような不安や悩みから目を背けることなく、しっかり向き合って考えていくことが重要となります。
『ゼロからわかる賃貸経営』は、大家さんが老後に苦労しないために少しでも力になればと思い作りました。
このページでは、賃貸経営をする上で知っておくべき心得について紹介していきます。
”賃貸経営=不労所得”ではない
良い賃貸経営をしていくためには、最初に現状を知っておく必要があります。
今の賃貸市場は、ご存知の通り大空室時代です。
ニュースなどでも「空き家問題」であったり、「空室率の悪化」など、よく取り上げられているので、ご存知の方も多いでしょう。
日本の人口は2008年をピークに、どんどんと減少しているにも関わらず、新築物件の着工件数は減っていません。
つまり、供給過剰の状態となっており、物件が余っています。
その結果、総務省の統計局による調査では、平成10年に初めて空室率が1割を超え、その後も悪化し続けているという状況に陥っています。
少し前までは、”賃貸経営=不労所得”というイメージがありましたが、ただ物件を持っているだけで儲かるという時代は、もうとっくに終わっています。
少し残酷な言い方かもしれませんが、これが今の日本の賃貸市場の現実です。
空室時代なのに、新築物件が減らない理由は?
新築物件が減らない理由は、住宅メーカーはそもそも建てるのが仕事なので、今でも必死に営業をかけているからです。
とは言っても、「こんなに空室時代と叫ばれていて、儲からないのが分かっているんだから、わざわざ新築物件なんて建てなきゃいいじゃん」と考える方も多いと思います。
ただ実は、賃貸物件を建てる人の目的は、儲けることよりも別の理由があります。
それは、相続税対策です。
2015年の法改正によって、相続税の課税対象となる人が急増しました。
その対策として、建築の需要が高まり、新築物件は建て続けられています。
銀行の融資が受けやすいことで拍車をかける
新築物件が減らないもう一つの背景として、今は金利が低く、銀行の融資が受けやすいということも挙げられます。
最近、スルガ問題をきっかけに融資が厳しくなっているというニュースを聞くこともあるとは思いますが、真面目に正攻法で賃貸経営を行っている人は、当然ですが、融資もちゃんと出ます。(銀行もお金を貸すのが仕事なので当たり前ですね)
不動産投資というのは、空室だけでなく様々なリスクは存在するものの、やはり投資として魅力的であることには間違いありません。
毎月安定した収入を得られ、税務上の優遇もあり、相続税対策としても効果的で、万一の際には生命保険代わり(団体信用生命保険)にもなります。
そのため、サラリーマンや主婦の方などが銀行の融資を活用して、不動産投資をする人も多く、その結果として、賃貸物件の建築も減っていない状況です。
”勝ち組大家さん”と”負け組大家さん”が二極化してきている
つまり、ここまでをまとめると、現在の賃貸市場は、物件の数は増え続けているにも関わらず、日本の人口は減ってきているので、物件が余っていて、賃貸経営は以前よりも厳しくなってきているということでした。
ならば、大家さん全員の収益が厳しくなってきているのかというと、そうではありません。
正しい情報を得て、しっかりと対策を取っている大家さんは、今でも多くの利益を出し続けています。
反対に、何の対策もしないで管理会社任せにしている大家さんは、マイナス収支でどんどんと苦しい思いをしていっています。
つまり、”勝ち組大家さん”と”負け組大家さん”で二極化が進んでいます。
情報強者になって、勝ち組大家さんになりましょう!
ポイントは”経営者視点”
では、賃貸経営で勝ち組の大家さんになると考えたときに、やらないといけないことは何でしょうか?
それは、正しい情報を得て、対策を練り、それを実行することです。
ポイントは、経営者視点です。
賃貸経営というのは、あくまでも経営です。
大家さん自らがしっかり知識を身に付け、戦略を立てて行動できた人だけが勝ち組の大家さんになれます。
今は、貸し手市場ではなく、借主目線で工夫して経営を行う必要のある”借り手市場”です。
その自覚を持って、今後の賃貸経営を行なっていく必要があります。
賃貸経営の本番は、築15年を超えてから
冒頭でもお伝えしましたが、賃貸経営は築年数が経つほど厳しくなっていき、様々な対策を取っていかなければならないという特徴があります。
新築・築浅のときは、すぐに満室になりますし、設備も新品のため、運用するのはとても簡単です。
しかし、築15年を超えてくる頃から空室対策や設備の老朽化という問題が起きてきます。
また、銀行への返済や税金、減価償却(=会計上の手続き。経年に伴い、その価値が減少していくが、その目減り分を経費として計上すること)の影響もあり、収益は少しずつ厳しくなっていきます。
まずは、この時期をしっかりと乗り越えないといけません。
そして、ローンの返済が終わると、手残りの現金は残るようになりますが、物件力が落ちている時期なので、いかに物件を長く保たせるかが大事になっていきます。
また、節税効果も発揮されなくなりますので、そうした点も考慮していく必要があります。
さらに、将来を考えると、物件を建て替えるのか、売却するのか、それとも相続していくのかという出口戦略を考えていく必要も出てきます。
このように、 賃貸経営では、短期的な視点ではなく、長期的な視点での運用が重要となります。
それぞれのフェーズに応じて、対策の仕方が変わってきますが、築15年を超えてからが本当の勝負です。
好循環サイクルの賃貸経営を目指す
今、順調に賃貸経営が出来ているのであれば問題はありませんが、もし今まで何の対策もしてきていなかったり、今後の対応が明確になっていない場合は、何らかの手立てを講ずる必要があります。
そこで、このサイトでは主に築15年以上の賃貸経営に役立つ情報を配信していきます。
【こんな人にオススメ】
・すでに賃貸経営をしていて、不安や悩みを抱えている大家さん
・”10年後も賃貸経営で苦労したくない”とお考えの大家さん
・不動産投資をこれから始めたいけど、運用方法が気になるという方
賃貸経営の役立つ情報を読みやすく、楽しく、ワクワクしてもらえるように発信していければと思います。
少しでもあなたのお役に立てば幸いです。
しっかり知識を付けて将来も困らない良い賃貸経営をしていきましょう♪