減価償却とは?基本的な言葉の意味を解説します!

減価償却とは?基本的な言葉の意味を解説します!

賃貸経営をしていると「減価償却」という言葉を聞いたことがあると思います。

しかし、大家さんの中には難しい言葉に感じてしまって、よく分かってないという方も多くいらっしゃいます。

ただ、減価償却というのは、しっかりとした賃貸経営を行う上では、とても重要な用語となります。

今回は、減価償却の基本的な意味をご説明していきます。

減価償却とは一体どういったものなの?
なんかめっちゃ画数が多い四字熟語みたいで訳わからんよ。

そうですよね、言葉の響きだけで難しく感じますよね。
分かりやすく解説していきますね。


減価償却とはどういう意味?

減価償却とは、一時的な支出を、耐用年数(使える年数)に応じて少しずつ分割して経費化することを言います。

言い換えますと、お金が出て行った時点で全て費用として計上するのではなく、長期的にわたって使用するために支払われた費用は、使う年数に応じて少しずつ費用にするというのが減価償却という考え方になります。

事業などの業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産は、一般的には時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。他方、土地や骨とう品などのように時の経過により価値が減少しない資産は、減価償却資産ではありません。
減価償却資産の取得に要した金額は、取得した時に全額必要経費になるのではなく、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費としていくべきものです。この使用可能期間に当たるものとして法定耐用年数が財務省令の別表に定められています。減価償却とは、減価償却資産の取得に要した金額を一定の方法によって各年分の必要経費として配分していく手続です。

国税庁HPより引用

POINT
☑減価償却=一時的な支出を、耐用年数(使える年数)に応じて少しずつ分割して経費化する計算方法


なんで減価償却って必要なの?一括計上すればいいんじゃないの?

では、そもそもなんで減価償却というものが必要なのでしょうか?

それは、減価償却は“税務上の処理”として必要なものだからです。

具体例で見ていきます。

たとえば、1億円のマンションを建てたとします。

1億円の物を買ったからということで、その年に1億円を経費にすると当然、初年度は大赤字となり、2年目からは経費がなく利益だけが出てくるという形になります。

そうなると、大家さんからすると初年度に大赤字になるので経営として問題があるように見えますし、税務署からするといきなり税金が取れなくなってしまいます。

こうなってしまうと、決算書の数値が大きく振れて変わってしまっているので、評価が安定しにくくなります。

また税金面としても、不安定になってしまうので、それを避けるため、一括計上は認めない方向となっているのです。

つまり、毎年の計算を実際の運用となるべく合わせるために、減価償却は必要だということになります。

POINT
☑減価償却は、税務上の処理として必要なもの
☑毎年の計算を実際の運用となるべく合わせるために、減価償却は必要


不動産において減価償却ってどういう関係があるの?

では、不動産において、減価償却はどのように関係してくるのでしょうか?

結論から言いますと、建物は減価償却できますが、土地は減価償却できません。

「減価償却できる」というのは、つまり経費化できるということですが、どうして建物が経費化できるのか分からないという人も多いと思います。

どういうことかと言いますと、建物は築年数が経つことによって少しずつ価値が落ちていきます。

このことを建物の価値が減価していくと言います。

そして、減価するようなものについては、その価値減少分については経費に認めましょうというのが、償却という考え方です。

つまり、建物は、時間の経過と共にその価値が減っていきますので、このような資産を減価償却資産といい、使用期間に応じて経費化できるということになっています。

逆に、土地については、長い年月経っても土地は土地であり、減価するというものではないので、減価償却資産には当たりません。

建物は建ててから少しずつ価値が減っていくから減価償却の対象になる。
土地はずっとそのままなので減価償却の対象にならないということか。


建物は何年で計上していくの?

減価償却は、使える年数に応じて少しずつ計上するというものでしたが、何年で計上していくかはモノによって異なります。

この期間は、種類によって決められているのですが、これを税法上では、「耐用年数」と呼びます。

では、建物の耐用年数は何年になるのでしょうか?

それは、構造によって異なります。

国税庁によって定められた建物の法定耐用年数は以下のようになります。

木造 22年
鉄骨造 骨格材の厚み3mm以下 19年
鉄骨造 骨格材の厚み3mmを超え4mm以下 27年
鉄骨造 骨格材の厚み4mm以上 34年
鉄筋コンクリート造 47年

この年数は、あくまで法定耐用年数で、減価償却を行うために決められたものです。

建物の寿命ではないので、メンテナンスをきちんと行うことで建物の寿命は伸ばすことができます。

建物の減価償却は、建物の構造によって違うのか。


建物以外の減価償却資産は何かある?

賃貸経営における減価償却は、建物がほとんどですが、それ以外にもたくさんあります。

一棟の建物では定期的に行う必要がある大規模改修(外壁塗装等)費用や、建物に付随する設備、あるいは物件の見学で使う車などは、減価償却資産と呼ばれるものになります。

建物以外にも減価償却の対象となるものもあるんだな。


まとめ

減価償却というとあまり聞きなれないため、身構えてしまうかもしれませんが、それほど難しい話ではありません。

この耐用年数に応じた減価償却を上手く活用することで、節税や出口戦略の対策も上手く進められるようになります。

減価償却について理解を深めて、上手く賃貸経営をしていきましょう。

 
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