賃貸で契約をする際には、「普通借家契約」と「定期借家契約」という2種類の契約方法があります。
しかし、定期借家契約は2000年3月に制定されてから19年以上の年月が経過していますが、定期借家契約は全体のうちの3%を占めるのみであり、あまり利用されていないようです。
国土交通省が実施している平成26年度住宅市場動向調査によると、定期借家契約について知っていると答えた人はわずか11.2%、名前だけは知っているという人が30.7%、知らないという人が57.5%となっています。
多くの人が知らない、もしくは正しく理解をしていないこの制度ですが、人によってはメリットのほうが大きくなる可能性があります。
今回は、この定期借家契約について解説をしていきます。
賃貸の契約方法には、2種類の方法があるってご存知でしたか?
このページを見て頂くと、あまり知られていない「定期借家契約」について理解が出来るようになります!
定期借家契約とは・・
定期借家契約の最大の特徴は、「更新がなく、期間の満了によって契約が終了する。」ということが契約書に書かれているということにあります。
書面の交付だけでなく、口頭で説明することも定期借家契約が成立するための条件となっています。
多くの人が知っている普通借家契約では、契約期間が満了しても正当な理由がない限りは自動的に更新されます。
借主の側からは1ヵ月前の申告をすればいつでも解約ができるのに対して、大家さんの事情で契約更新を拒否する時には、正当な理由がなければなりません。
それに対して、定期借家契約では契約の更新がないことを前提とした契約となっています。
普通借家契約では1年未満の契約を結んだ場合には期間の定めのない賃貸借契約とみなされるのに対して、定期借家契約では1年未満の契約を結んでも有効となります。
大家さんのメリット
大家さんにとっては、普通借家契約は一度契約を結んでしまうと借主が多少問題のある人物であったとしても正当な理由がなければ契約を解除できないという問題点があります。
しかし、定期借家契約ならば、借主が頻繁に家賃を滞納するというように、契約を更新したくない事情がある場合には期間の満了とともに契約を終わらせることができます。
一方、借主にとっては定期借家契約では基本的には契約の終了とともに部屋を出て行かなければならないという点でデメリットがあります。
同意があれば更新と同じように、再契約も出来ますが、大家さんは自由に断ることができます。
借主のメリット
この特徴から、大家さん側のメリットが大きく、借主の側にはデメリットが大きい契約の形態であると考えられています。
しかし、借主にとっても定期借家契約がメリットとなるケースがあります。
それは、今後増えると予想されている、定期借家契約を試用期間として利用するという方法です。
入居期間中、家賃を滞納しないなどのルールを守れる人物であることを見極めて、問題がなければ期間満了後も普通借家契約の更新と同じように再契約を結ぶというものです。
ルールを守れない人や集団生活の秩序を乱すような人に出て行ってもらうことができるという点などで、大家さんと入居者双方にとって有利な制度になる可能性があるのです。
まとめ
【定期借家契約のメリット】
→大家さん側で、期限の満了と共に契約を終了することが出来る
【定期借家契約のデメリット】
→入居者募集の際に、敬遠される可能性がある
いかがでしたか?
『定期借家契約』について理解が出来ましたでしょうか?
なので、大家さんからすると、
「物件が古くなってきたし、そろそろ建替えようかな」という時はもちろん、
「悪質な入居者とは更新したくない」というときにも活用が出来ます。
ただし、大家さん側から更新を拒否できますので、入居者からすると、
「もしかしたら2年で退去させられるかも」と思われてしまって敬遠される可能性もありますので、バランスが大切です。
☆”あなたに合った賃貸経営の方法をご提案”するプライベート相談(個別相談)
☆”10年後の賃貸経営で苦労しない”ためのセミナー・勉強会