ご周知の通り、現在の日本は少子高齢化が進んでいます。
それに伴い、当然のことながら、賃貸に住む1人暮らしのお年寄りも年々増えています。
大家さんからすると、孤独死などのネガティブな要素に目がいきがちですが、実際の所、どのように考えるべきしょうか?
今回は、
・高齢者の人口推移
・孤独死リスクを回避するためにはどうするべきか
・高齢者の受け入れについての考え方
について解説していきます。
これからの賃貸経営、高齢者の入居を受け入れるか考えておく事は必須ですので、ぜひご自身の意見を考えるきっかけにしてください。
総人口に占める高齢者人口の割合は28.1%!
まずは、現状を知るために高齢者の人口推移を見てみましょう。
日本の総人口は、2018年時点では約1億2600万人となっており、2011年以降、継続して減少しています。
一方、65歳以上の高齢者は、1950年以降、一貫して増加し、2012年に3000万人を超え、2018年時点では3557万人となっています。
総人口に占める高齢者人口の割合の推移をみると、1950年(4.9%)以降一貫して上昇が続いており、1985年に10%、2005年に20%を超え、2018年は28.1%となりました。
つまり、もうすでに、4人に1人以上が高齢者という状況です。
当然、持ち家に暮らす人も多いですが、これから賃貸のニーズも増えていくのは明白です。
高齢者入居の最大リスク、孤独死。リスク対策はどうする?
高齢者の入居を考える上で大切なことは、まずリスクを受け止め、そしてリスクを回避するために対策を取ることです。
そして、大家さんが最も気になるリスクが孤独死でしょう。
では、孤独死のリスクを回避するためには、どのような方法があるでしょうか?
2.孤独死保険に加入する
3.入居中は見守りシステムを利用する
1.入居前のヒアリング
高齢者の受け入れに際しては、事前の準備が大切です。
実際に話しをしてみて、家賃の支払い能力や持病、コミュニケーション力など確認します。
部屋に引きこもることなく、周りの住民と人間関係が築ける人なら、孤独死で発見が遅れるリスクも低くなります。
また、契約をする際には、連帯保証人もしくは緊急連絡先が必須となりますが、連絡が確実につき、かつ、緊急時にきちんと対応してもらえる関係であること、そして、すぐに駆けつけられる近距離に住んでいることを必須条件にしましょう。
2.孤独死保険に加入する
上記の話し合いと共に契約時にしっかりとした取り決めを行うことも重要です。
最近では、入居者に入ってもらう火災保険に孤独死保険をオプションで付けられるサービスも増えてきています。
孤独死保険では、室内で亡くなる場合に備えて、原状回復費用、および死後の部屋の修繕や遺品整理、葬儀費用などを一定額補償してもらえます。
ただし、保険金額な保証範囲は保険会社によって様々なので、その点は確認をしましょう。
また、契約時に特約事項を設定しておく方法もあります。
特に賃貸借契約書に載せておきたい条項は下記の2点です。
特約条項②:賃借人と〇日以上連絡がつかない場合は、警察立会のもと室内の安全確認を実施することに同意する
この特約条項は、貸主が少しでも早く異変に気付けるようにする措置です。
入居中にもこのようなコミュニケーションを取ることを約束しておくことで、双方が安心して暮らせるようにもなります。
3.入居中は見守りシステムを利用する
また、最近では入居中に孤独死を未然に防ぐための見守りシステムもたくさん出てきています。
ホームセキュリティ会社やガス会社、通信会社などさまざまな会社が提供しています。
具体的な内容としては、週2回の安否確認の電話でボタンを1回押すだけで指定連絡先にメールでお知らせが入るものや、人感センサーで安否確認を行い長時間無反応の場合にメールでアラートをお知らせしてくれるものなど。
このようなサービスを活用することで、「孤独死の予兆に気付くことができなかった」という問題を解決することも出来ます。
意外なデータ、年代別で孤独死が1番多いのは60代。現役世代も3割を占める。
日本少額短期保険協会の調査によると、実は孤独死が1番多いのは60代で、全体の37.5%。
現役世代の20~59歳までの世代も約3割を占めるとのことです。
つまり、孤独死は高齢者に限るものではないということです。
高齢者は、かかりつけの病院に通っていたり、高齢者同士のコミュニティーがあるため、高齢者が室内で亡くなるケースというのは意外にも少ないようです。
大家さんが「高齢入居者=孤独死」と心配し過ぎている面もあるみたいです。
高齢者は長期間入居してくれる良いお客様。社会貢献の面も。
高齢者の受け入れに対する賃貸需要は、今後増えていくのは明らかです。
しかし、リスクが高く受け入れを拒否する大家さんが多いのが現状です。
一方で、特に築年数の古い物件では、空室対策で悩むケースも多いです。
その点、高齢者の多くは、賃貸物件に入居すると、後々まで長く住み続ける傾向がありますので、長期の安定経営が可能となり得ます。
また、収益性という合理的な考えだけでなく、”困っている人を助ける”という大きな社会貢献にも繋がります。
もし空室対策でお悩みであれば、高齢者の受け入れを検討してみてはいかがでしょうか?
☆”あなたに合った賃貸経営の方法をご提案”するプライベート相談(個別相談)
☆”10年後の賃貸経営で苦労しない”ためのセミナー・勉強会